ある方から、ネクタイをたくさん寄付いただいたので、同じ色柄の物の九本で、ピアノカバーを考案して作りました。
大剣先はほどかないで、裏布もそのまま利用しました。九本のつなぎ目には、「力布」と「飾り」を兼ねて、小さい共布のリボンをつけました。
サイズは、縦60cm×横190cmです
ここで日本のネクタイの歴史について、簡単にお話します。
日本人ではじめてネクタイを締めた人は、ジョン万次郎(中浜万次郎)といわれています。
NHKの大河ドラマ[龍馬伝」にも登場しましたが、漂流の後、アメリカで勉学して帰国しました。
戻ってからは通訳などで貢献されました。ネクタイを締めて洋服を着こなした第一号です。
次に、はじめてネクタイを作った人は、小山梅吉という方です。掲載写真の一番右の人物です。
明治17年に、日本橋の三越から丸帯を買って、ネクタイを作ったといわれています。
この時のネクタイは蝶ネクタイだったそうです。
昨年2009年 7月に、この小山梅吉氏の三代目さまの奥様から、東京毎日文化センターにお電話がありました。三代目様の亡き後、家業のネクタイ工場を閉鎖して、その材料を寄付したいとの事でした。
「リユージングネクタイ教室」を開いている私が、ご自宅にいただきに行きました。
ピアノカバーに使った、同じ色柄の仕立て上がりネクタイが、50本ほどありました。教室の皆さんにもわけましたが、私としても良い作品に作り変えたいと考えておりました。
初めて明治17年にネクタイが作られてから、ネクタイリフォーム教室に寄付をいただくまでが、約125年です。
服飾のひとつであるネクタイひとつで、こんなにも大きく早い時代の変化を感じます。これから先もネクタイは使われ続けるでしょう。
しかし、クールビズや服装の変化で、ノーネクタイ傾向がますます進む事でしょう。