帯の香合

帯の断片で香合を作りました。ここに至るまでの道のりは長かった!! 先に紹介したように、まず作り易い綿布で基本形の1.2倍、1,4倍 そして直径10㎝(つまり1.5倍)の香合を作りました。この作業は帯地で作るための予備作業でした。直径10㎝は片手でねじり蓋を開けられる限度のサイズです。ここまで大きくした理由は、繊細な山川草木の帯の模様を香合のなかに観るためでした

作ってみると、着付けする時の帯のように自由に形がつくれます。その柔軟性が返って作りにくさでした。その上、帯地は布端がスルスルと糸がほどけていくので、やり直しの作業はご法度でした。初めて布香合を考えられた故大野一郎先生はどこから思いつかれた作品なのか?と四苦八苦の作業中に思いました。そして先生は本の中で様々な袋物や茶道具入れを「ネクタイの絹で作りなさい」とご教授されていました!!!再利用にも思い入れがあったのです。

王朝絵巻の繊細さを香合にして、日常に優雅な絵巻模様を楽しむ 桜満開の今より秋の紅葉までも! (2022.3.31)