全国手工芸コンクールに入賞しました

今年で第24回を迎える全国手工芸コンクールに名古屋教室の生徒さん2名とともに出品しました。
手工芸を愛する女性にネクタイリフォームの作品を知ってほしい目的で、昨年に続いて応募いたしました。
文部科学大臣賞をはじめ各新聞社賞がそろう兵庫芸術文化協会主催のコンクールで、10月18日から21日までの会期で神戸市で展示会が開かれました。

Yさんの作品
篭付きバッグと買い物袋
篭付きバッグは、天然素材のカゴにネクタイ2本の布部分を縫い付けます。
買い物袋は2本使って袋を作り、マチが自由に取れるようにホックが底の両端についています。
折りたたんでバッグに入れて持ち歩きできます。

Sさんの作品
デディベアーの洋服
28㎝丈のくまさんは手作りして、ベストとネクタイで1本、上着とズボンに各1本ネクタイを使用しましたが、どれもぎりぎりなんとか足りたという程、見た目よりも布が必要でした。
どうですか?くまさんのドレスアップした得意げな顔!!

私の作品
ブラウス&スカートとタンクトップ
着物風打ち合わせのブラウスとショート丈のスカートは、パンツと組み合わせると今風な着こなしになります。
タンクトップは肩紐と裾に1本でアクセサーを。ブラウス&スカートは10本の同じメーカーのネクタイを使用しているので、色柄に統一感があります。この作品に佳作をいただきました。

ネクタイ一本の値打ち

 
写真の帽子類(左からレインハット、キャップ、日よけ帽子2種類)は、どれもネクタイ一本で作ることができる帽子です。

長年ネクタイリフォーム教室をやっていて気づく事は、ネクタイを2本3本と必要な作品の場合、ネクタイ地の厚さや伸び方などの性質の違いで、制作課程で問題が起こりやすい事です。ネクタイ一本から作れる事は、とても重要な条件になります。

レインハットは6枚はぎのチューリップハット型ですが、前3枚の下部を透明にしたので、一本のネクタイで足りました。
 
キャップは、サンバイザー(本の26ページに掲載)の応用ですが、ひさしの部分の表裏の両面をネクタイ地でとったサンバイザーと違って、裏側は黒色の他の布地を使ったので、一本のネクタイで済みました。

日よけ帽子2種類ですが、どちらもトップはネクタイ地ですが、「サイド」や「ツバ」はチュール(ネット状の布)で作りました。紺色の方は「ツバ」は四枚はぎのネクタイ地です。茶色の方は、チュールの「ツバ」の上にギャザー寄せしたネクタイ地をふんわり乗せています。

帽子は目立つ物なので、一本で作ることができるというのは嬉しいことです。

それにしても、ネクタイ一本がこんなにも分量があるの!! 
と驚きませんか?

  ここに バイヤス地のマジックが隠れているんですよ!

These hats and a cap can be made of the ties.
The photo on the left is a rain hat and a cap to be made of each one tie.
The photo on the right is two kinds of hats to be made of each one tie.
All these kinds of hats are made of one tie.
Aren’t you surprised how large one tie is?
One tie is very useful and valuable indeed.

I ‘ve ever made the sun visor useing only one tie.
This idea was appeared on my book ‘ Reusing ties’.

ロングベスト

 
梅雨には気温の変化も大きくまた肌寒いことも多いので、ベストが重宝します。
ネクタイリフォームの本の読者から、メールで『長いベストの作り方を教えてください』とお尋ねがありました。本にはベスト丈60cmから65cmの裏地付き作品を載せています。

そこで写真のような85cmほどのベストを作りました。
ネクタイは、どれも 大剣  中剣 小剣 の三つの部分を縫い合わせてできています(例外もあります)
まず、芯をはずして一枚の布にして、大剣中剣はそのままにして、小剣だけはずします。
4本のネクタイを大剣中剣の長さで、右身頃に2本 左身頃に2本に分けて縫い合わせて身頃を作ります。
私はここで色バランスのため中剣を左右身頃で入れ替えたので、胸元がV字にはっきり見えます。
また、ネクタイの特徴を生かして、裾は裏布がついたままのV字にしました。
この裾の剣先までが85cmです。後ろ身頃の布(黄色いレース地)で前身頃の縁をパイピングしてベスト全体の統一感を出しました。
裏地なしの一重のベストです。

ネクタイを大きな作品に作ると ♪ ネクタイが喜んでいる ♪と感じます。
小さく切って作る作品は誰でも考え付くので、大きくするアイデアを発信したいと思っています。