布香合への熟考

人を惹き付ける布香合ですが、材料の表地と裏地の組み合わせ方で,出来上がりがかなり違います❗    また大きさの違いにもトライしてみましたが、ここにも問題が多く出ました❗

写真の下側に4つの香合が並んでいますが、すべてネクタイの絹地を使用した基本のサイズです。     綿布は絹と違って作り易くてはっきりした『ねじり筋』が現れます。上側の青色の3つの香合は、大きくするためのテスト作品です。綿布で、大きさが基本の1・2倍、その横が1・4倍です。 一番大きいものは直径10㎝(半径5㎝)で作りました。裏布に硬さを持たせる為に接着芯を貼ると、ねじった真ん中がシュークリームのようにふんわり高く盛り上がります。

教室で意見交換した結果は、直径10㎝サイズを帯地で作る時、1、裏布は不要で、箱の高さは中の物を取り出すためには低いほうが良い 2、帯地を使うときは裏布は工夫して付けないはうが開きやすいなど工夫や思考錯誤の問題がたくさん出ました。そんな問題点を乗り超えて、魅力的な布香合は作ってみたい気持ちでいっぱいです。多くの人にプレゼントをして喜ばれている人もいます。      (2022、3、5)

布香合

2022年の新たな年明けです。今年が佳い年でありますようにと祈らずにはいられません。年の初めに作った布香合ですが、5年前に市販で購入し大切に持っていたものがあります。去年偶然にも図書館で見つけた本『大野一郎 伝統工芸袋物教室』の中にその作り方を発見しました。

大野一郎先生は布団職人から腕を見込まれて、宮内庁御納戸役として活躍されたそうです。巻頭に珠玉の言葉が載っています。【手縫いのよさは、ミシン縫いのように布地を締めつけることがありません。布地とともに縫い目が自然に伸び縮みし、布地の持っているやわらかさを保って、仕上がりに温かみが出るのです

長年手作りネクタイを手縫いしたものにとって感動の言葉です。時代の良いものは取り入れていきたいとおもいますが、この布香合(ねじり香合ともいう)はミシンの入る余地がありません。1本のネクタイをほどいた大剣部分から布香合一つ分が採れます。中・小剣部分は、女性用あるいは男児用の小さなネクタイになりました。出会いの喜びは人同士の中にありますが、本との出会いにも無限の喜びがあります。よき出会いの年になりますようー

お揃い❗トートバッグとナップサック

紬着物の布端は、糸が束ねられてフリンジのような可愛らしさ。そのままをナップサックにして、背中でお太鼓の帯のように魅せます。トートバッグはしっかり物を入れたいから、残りの布端切れに赤いネクタイ1本を真ん中にはめ込みました。三角のふた付きです。これで紬の着物端布は使い切りました。お揃いの2バッグを持てば 手作り感は満点。オンリーツーのおしゃれです。              2021,9,4